カテゴリー別アーカイブ: ギターの想い出

作者自身のギターの想い出を赤裸々に

ギターの想い出 その3

さて、ギターを入手してまずすること、すべきことは何か。

そう。ストラップを装着し、構え、鏡に映った姿に陶酔するのだ。
これは誰もが必ず通る道なので、恥ずかしがることはない。
しかし、家人に目撃されないように、留守のときや深夜にやるのを推奨する。
自分のためではない。
見てしまった側のいたたまれない気持ちを見越して、だ。

オマケについていたのは、ナイロン製でピン通し部分の縫合がかなり雑なストラップだ。
ギター本体のピンに止めようとしたが、固くてはまらない。
結局ピンのネジをドライバーで外してから装着した。

さあ、さっそく構えてみる。
この時点で弾ける曲はひとつもない。
思い切りストラップを伸ばして低く構えるとかっこいいというのは知っていた。

ピックを持ってストロークをする。
コードも知らない。
左手はそえるだけ。

はい、切れた。弦切れたよ。
力加減を知らないので、早速1弦が断絶。

切れた弦を本体から外す。
ギター弦は基本的に、本体に固定するためのストッパーが末端についている。
当時はそれごと消耗品だとしらず、ピンセットとニッパーを使って保存した。

明日誰かに弦の替え方を聞こう。

翌日よっちゃんに「これどうすんの?」と、画鋲のプラスチックケースに保存していたストッパーを見せる。
怪訝そうな顔をした一瞬後に爆笑された。

つづく

ギターの想い出 その2

2週間の喫茶店アルバイトを終え、現金手渡しで給与を受け取る。

その足で静岡市街にある楽器店に向かった。
すみや楽器というスタジオも備えた大きめの店舗だ。
当時、レジ前には電気グルーヴのデモ・テープが販売されていた。

楽器店の中にはお年玉で楽器を求める同年代の少年たちが数多くいた。

実は私はバイト帰りに何度もこの店に通って下見をしていた。
すなわち、購入するギターの候補は大体決まっていたのだ。

Fernandesストラトタイプのギターセット。
ネック裏まで真っ赤に塗装されていて、子供心にも少々やり過ぎな感じはしたが、
時給570円の高校生が買うことの出来る価格レンジなどたかがしれていた。
選択の余地は色ぐらいだ。といっても、赤か黒かの2択でサンバーストすらない。

試奏はせずに、代金を払ってセットを受け取る。もちろんなにひとつ弾けないからだ。
ギターを担いでいるのが誇らしく、颯爽とマクドナルドに寄り道をした。
ギターが見えるように座った席の通路側に、わざとらしく置いてフィレオフィッシュを食べた。

ギター本体、ぺらぺらのソフトケース、5Wのミニアンプ、シールド、替え弦、ピック3枚のセット、ストラップ。で占めて29,800円。ピックアップ配列はシングル・シングル・ハム。

ソリッドなエレキは重量があり、硬さもあった。
故に鉄でできていると思っていたが、買った当日に早速パイプベッドにギターをぶつけ、
塗装が一部はげて木目が覗いたので、木で出来ていることを知った。

つづく

ギターの想い出 その1

さて、自分のブログを読み返してみると、最近ギターについてのポストが、あまりに少ないと気付いたので、たまには書いてみる。
反省の意味を込めて、赤裸々に綴ってみよう。

私がギターを知ったのは高校2年生の頃。早生まれなので16歳だったはずだ。
当時片思いだった人をデートに誘うために、冬休みにアルバイトをしていた。

静岡駅前の喫茶店で時給570円、交通費自己負担で、まかないはあった。
一階が交番で出前を届けることも。
拾得物以外のものを届けたのは、はじめての経験だ。
喫茶店という形式だったけれど、牛丼やチャプスイ丼(後に中華丼が一般的な呼び名と知る)もメニューにあるというフトコロの深さだ。

まあ、細かいことはともかくとして、意中のその人に振られた(しかも実は2回目w)私は、バイトで稼いだ資金を持て余していた。
そんな時、一緒にバイトしてた親友のよっちゃんが、「じゃあ、ギター買っちゃえよ!」と悪魔の囁きをつぶやいたので、流れに任せてギターを購入する運びとなった。

当時は「バンドやってみよう!」という風潮だったので、周囲の男子はみんな楽器をもっていた。
だがしかし、どいつもこいつもエレキ・ギターを買うのでバンドの組みようがない。自分ももちろんその一人。

バイトをして貯めたといっても、現在の東京都最低賃金をはるかに下回る高校生のインカムでは常識的にギターなどは買えないと思っていた。

しかし、当時は「イカ天ブーム」
これは一過性のブームでありながらも、楽器に関わるマーケットに、大きなイノベーション()を与えたのだ。

つづく