カテゴリー別アーカイブ: ギタリスト列伝

著書が影響を受けたギタリストたちのプロフィールです

ギタリスト列伝『リッチー・コッツェン②』

さて、コッツェンに触れたのは『Motherheads Family Reunion』と書きました。

当時師事していたギタリストの人から習ったのですが、
リフのキャッチーさと、コードワーク、ソロのまとまりなど、
完璧だなあと思い習得しました。

(こちらは5さい長男にうるさいと非難された私の演奏動画でございます)

その後MTVかなんかでPVを見て、おお!本人が歌っとる!ソロのアクションもすげー。
とか、思いハマりました。

ルックス、スタイル、曲のセンス、ギター・テク、ボーカルすべてを兼ね揃えています。
MJとかプリンスのポジションを目指していたのではないでしょうか。

細かいことを書き始めると止まらないので、まずはベスト盤あたりを聴くのがベターかと思います。
一切の捨て曲がありません。
ギターがあれだけ超絶なのに、ボーカルのソウルフルな響きとメロディラインに打ちひしがれました。

ベスト盤の発売後にPeace signというアルバムも発売されましたが、
これもまた非常に良いです。
さらにこのPVではボーカル、ギター以外にもベース、ドラムも本人の演奏です。
しかもすげえ上手い。

どれかひとつでも追い付きたいところです。
取り急ぎ、『Unity』だけでも耳コピしたいと思います。

そんなこんなでYoutube巡回していたら、コッツェン・カヴァーの
『スモーク・オン・ザ・ウォーター』発見。こちらもソウルフルなボーカルでございます。

つづく

ギタリスト列伝『リッチー・コッツェン①』

さて、フェイバリットといいながらも一度も触れなかったギタリスト。
いや、アーティスト。それがリッチー・コッツェン。

初めて触れたのは『MotherHeads Family Reunion』
王道のブルース根底のハード・ロックなわけですが、様子がおかしい。

そもそもシュラプネルで才能を見出されたインスト系速弾きストなわけですが、
同期のシュラプネルのメンツからも少々異彩を放っておりました。

コッツェンとマイケル・リー・ファーキンスが特異でした。

Wikiによると
1970年2月3日にアメリカのペンシルベニア州のレディングで生まれる。5歳の頃よりピアノを弾き始め、7歳のときにKISSのジーン・シモンズに刺激されてギターを弾き始める。

ジーン・シモンズ? ベーシストじゃん。
まあ、そんな細かいことは構わないのでしょう。
音楽を通じて自己のもつ世界を体現するという意味合いでは、大きな洗礼だったのでしょう。

CCデビルの公認としてポイズンに加入したり、ポール・ギルバートの公認としてMR.BIGに加入したりと、八面六臂の活躍です。

『機動戦士ガンダム』のカヴァーでギター・ボーカルを務めますが、背景の事情はわかりません。
必要以上にソウルフルなガンダム哀歌は、ちょっと心に沁みました。

さておき、彼の才能を留めておくのは、人類の損失と感じております。

つづく。

ギタリスト列伝『トモ藤田』

さて、多分5回目くらいです。

このシリーズは、私が影響を受けたギタリストをメジャー、マイナー問わず一方的に押し付けるコーナーです。
メジャーかマイナーなんてどうでもいいです。そんなものは他者の基準です。大抵は売りやすいからメジャーなんです。それも正義ですが。
私の心に何かを刻み、駆り立てる。存在してくれてありがとう! な感じの表現者を備忘録がてらブログに残す感じです。
備忘録と記しましたが、アーカイブ化しておくことによって、きっと未来の自分がいい感じのアウトプットをまとめてくれると期待してのことです。

今回は『トモ藤田』。
本名は『藤田智久』1965年生まれなので、47歳ですか。

1965 京都で生まれる。最初はCHARに憧れて、13歳でギターを始める。
1982 ジェフ・ベック、ラリー・カールトン、アル・マッケイ、ジョー・パス、などに影響を受け、日夜ギターの練習にあけくれる毎日だった。
1983 18歳の時、山口武氏に師事。この頃よりアメリカで本格的に音楽を学びたいと思い始める。
1986 21歳で憧れていたアメリカへ渡る。
1987 バークリー音楽大学へ奨学金を得て入学する。
1988 ボストンを中心に多くのレコーディング、ライブ活動を通して経験をつむ。
1990 ボストンベストギタリスト、コンペティションで3位になり注目を集める。
1991 再度、ボストンベストギターリスト、コンペティションに参加、日本人で初めて1位になり、周りからも認知される。この頃憧れていたジョー・パスのレッスンも受ける。

はい、ご本人のHPよりのコピペです。

私が氏を知ったのは多分12年くらい前です。
いろいろと自分の音楽を考えるためにインプットを広げようと思って、片っ端から教則ビデオを漁りまくっていた時期です。
そんな中で『ギタリストのための演奏能力開発エクササイズ』というVHSに出会って度肝を抜かれた訳です。

時折入るデモンストレーションのキャッチーさもいいのですが、氏が唱え続けるのは『基本』。
そうなんですよ。どんな派手な演奏もテクニックも、基本の延長線上にしかあり得ないんですよ。

この事実を体系的に表現した商業作品教則ものがそれまであったでしょうか?
情報商材チックな『サルでもわかる』『一日◯分でマスター』とか、そんなんばっかりの中で、あらゆる表現活動の礎となるものを表したものは希有な存在でした。

そして本作品は、あっというまに売れ切れという事態に。
それを知って『世の中には、物の価値がわかる人がたくさんいるんだ』と、妙に嬉しくなった記憶があります。(人間、いろいろと厭世的になる時期っていうのがあるもんです)
この作品は、ご本人がリットー・ミュージックに赴いて企画をプレゼンをした結果、商品化されたと聞いています。
リットーエライ! わかってる。これからもギター・マガジンは購読。

代表曲『Just Funky』はキャッチーかつ、氏の持つエッセンスが凝縮されていて美味しいのですが、それはあくまで集大成であって、教則の中の『超地味』に見えるレッスンを着実に、継続してこなすことで到達できるのです。

現在ご家族とボストン在住のようですが、日本に来た際には非常に精力的に活動されています。
各種ショーから、ホームタウン京都および東京での個人レッスンなど。
機会があれば是非受けるべきでしょう。感謝しつつ、この時代の日本に生まれてきたというチャンスを活かすのです!

詳細は氏のHPにて

語り始めると止まらないので、このあたりで。

最後に一つだけ。
氏の言う言葉のひとつ。
『善良な心でないと、良いギターは弾けない』
素晴らしいです。ギター然りなんですが、すべてに通ずる言葉。
そして、氏が発するがこそ、説得力を持って響くわけですね。

? はい、信者ですがなにか。

第6回に続く

ギタリスト列伝『キー・マルセロ』

前回の『タイ・テイバー』に続いては元ヨーロッパのギタリスト『キー・マルセロ』です。

本名はWiki曰く
『Kjell Hilding Löfbom』

読めねえよ!

スウェーデン出身で、最も華々しいキャリアは前述のとおり『ヨーロッパ』への参加です。
音楽性の乖離で脱退してしまった『ジョン・ノーラム』の後任として加入します。

音楽性のポップ化故に、初期のファンもノーラムも離れてしまったようですが、ここまで自己のサウンドを確立しまくっているバンドは稀有だと思っています。

叙情的なサウンドの中に、重厚なブルースがプンプン匂ってくる。それを支えていたのがマルセロです。

コンテンポラリーなテクも持ち合わせていますが、ルーツというか奏法というかフレージングの根本はブルースです。
私が思う『ゲイリー・ムーアの後継者』の中で、最もムーアを理解しているのがマルセロと考えます。

細かい話はさておき、有名ドコロでムーアの後継者は『ジョン・ノーラム』『ジョン・サイクス』あとはこっそり『カイ・ハンセン』あたりだと思います。

ムーアのエッセンスってなんでしょう。

1、ブルースマインド
2、情熱的なベンド、ビブラート
3、直情的でクロマチックなアプローチ

ざっくりこんな感じでしょうか。
1は兎も角、2、3は技術的な話です。
1を最も色濃く引き継いで、プレイに蘇らせているのがマルセロだと私は感じています。
2、3ばかり強調したプレイを聴かされると
「あー、ハイハイ。ムーアムーア。ゲイリーゲイリー」
などと斜めに聴いてしまいます。
1を押さえた上で、結果として2、3が派生するなら分かるのですが、どうもそんな感じがしないプレイヤーが多い。

要するに、ヨーロッパのサウンドにマルセロは欠かせない、という事です。

あ、カイ・ハンセン?
ギター弾いたり、作曲できる人なら一発でわかると思うのですが
『Out in the Fields』を聴いたあとに

『I want out』を聴くとよくわかると思います。

オマージュでおます。ここまでやるのはむしろ天晴な清々しさ。

なおスウェーデン在住のヨッケ女史の情報によると地元スウェーデンのIKEAのモニターで元気な姿を拝見できるとのことです。元気で何より。

初期作品なのでアレなんですが、再結成して、もいっかい『In the future to come』のリミックスして欲しいです。
ジョーイのパートのリバーブ削って。

第五回へ続く

ギタリスト列伝『タイ・テイバー』

さて、第三回。だんだんマニアックになって来た気がしなくもないのですが、私が本当に良いと思っているギタリストなので、ご容赦くださいませ。

で、今回は『タイ・テイバー』。
『キングス・エックス』のギタリストとして有名です。
1961年生まれとあるので、51歳です。もちろん現役。
お父さんはじめ、家族が音楽家なのでやはりその影響が強かったみたいです。環境、大事。
学生時代に組んだのが『キングス・エックス』で、このまま1983年にメジャー・デビューを果たします。
バンドの音楽性は説明が難しいのです。オルタナ色が強い退廃的なサウンドの中に見え隠れするポップでキャッチーな下地。
3ピースの音の薄さを全員のコーラス・ワーク、ベースを5度コードで弾いたり(スティーブ・ハリスを思い出します)と、支えあいの姿が美しいです。

基本的にベースのダグがブルージーというかゴスペルっぽいソウルフルな歌声を聴かせてくれるのですが、曲によってはテイバーがメイン・ボーカルになったりします。こちらは甘い歌声です。

ヒットしたのは2枚目『Out of Silent Planet』です。収録曲の『Goldilox』は必聴です。
ビリー・シーンもこの曲が好きなようですw

1曲めの『King』もコテコテで結構好きです。

私が一番好きなのは3枚目『Gretchen Goes to Nebraska』。
名曲『Over my head』を始めとして、名曲がてんこ盛りです。

テイバーの♯9th、ブラッシング好きが見て取れます。
キーEmにCの♯9thをぶっこむという発想は、オルタナかパンクにしかないです。
良い意味で枠に捕われないサウンドですが、後半ソロのタッピングは微妙。
すみません、個人的趣味です。

さて、ギター・プレイについて言うのであれば、一言で『堅実』。めっちゃスタンダード。
ただ、リフの作り方とか、発想に枠がないので、予想を上回るものが聴けるのが特長です。
きっと『ギターで自己表現』というゴールじゃなくて、自己表現をする為の道具のひとつが、たまたまギターだったんでしょう。
サウンドは、重厚ながらも、ソリッドでコード感を失わない歪みがすごい気持ちいいです。
ソロとか単音プレイは音を厚くする為にフェイズさせてますね。うっすらコーラスを掛けているのかと思います。

なにげにソロ・アルバムを8枚くらい出していますが、殆ど聴けてませんので、この機会に探そうと思います。

本丸バンド『キングス・エックス』も継続中(のはず)。
ドリーム・シアターの『ジョン・マイアング』なんかと一緒にやっているプロジェクト『プラティパス』。
こちらはキーボードもいるので、音圧は重厚です。そしてサウンドは個人的にツボです。
ちなみに聴きやすさで言うと2枚目なのですが、勢いがある1枚目がオススメです。

第四回に続く

ギタリスト列伝『ブルース・サラセーノ』

さて、前回の『ジェイク・E・リー』に続いて第二弾は『ブルース・サラセーノ』です。

1971年アメリカ生まれ。両親共に音楽関係。
特にお父さんのアレックスはエフェクター制作などをしており、サラセーノもそれを愛用しつつ、プロモートみたいな事も。

デビューは16歳の時。この時代のテクニカル系ギタリストって、これくらいの年齢で掘り出されちゃいますよね。
元クリーム、ジャック・ブルースのメンバーとしてツアー参加という恐るべきデビューを飾ります。
10代にして、あのジャック・ブルースに認められる才能とはどれほどのものなのでしょう。

その後、3枚のソロ・アルバムをリリースしてミュージシャン界隈から非常に高い評価を得ます。
私が一番好きなアルバムは『Plaid』です。一時プレミアム価格で5,000円超えていましたが、今は輸入盤が安く入手できるようなので、ぜひぜひ。お父さんの作ったアンプとペダルの音も特徴的でいい感じです。

何かで「速弾きは得意じゃない」みたいな発言を読んだことがありますが、誰と比べてそう言っていたのか気になります。
上記の教則では、座りながらもクラッシック・ギターと同じように左足にボディを乗っけてます。で、右足は四分じゃなくて八分でリズムを刻んでいるという、一瞬貧乏揺すりにも見える細かいビートの取り方。というのも只者ではありません。

プレイスタイルは…超絶テクももちろんなのですが、トーンのコントロールやタイム感に特長があります。
かっちりしたスタジオ系スタイルが基本になっていますが、ブルージーなトーンや音の長短コントロールがエモーショナル。
「完璧な正確さにを礎に、エモーショナルな味付けをする」というのが私の解釈です。

いわゆるミュージシャンズ・ミュージシャンに属します。映像資料が少なすぎますね……
一般的には知られてないけれど、一般的に知られているミュージシャンからは知られているというミュージシャンです。
最もポピュラーに露出されていたのはリッチー・コッツェン脱退後の『POISON』での活動でしょう。

ギター・ソロ聴くだけで、誰もがサラセーノだ!とわかると思います(聴いたことがあれば)。

現在の活動は彼のサイトに詳細が載っております。音が出るのでご注意くださいませ。

手放してしまいましたが、昔YAMAHAのサラセーノモデルを愛用していた時期があります。
リバース・ヘッド、メイプル指板、フロイドローズ、ハイフレットがスキャロップでとても良い感じでした。
リア・ハムはJBに換装してしまいましたが。

次回は誰にしよう……

ギタリスト列伝『ジェイク・E・リー』

ブログの更新が滞っているのは良くないと思い、色々途中で止まっているシリーズもあるのですが、継続は力なりなので、少しは更新しようかと反省しております。
で、今回はギタリスト列伝と銘打って、私の好きなギタリストについて語りたいと思います。

第一回は「ジェイク・E・リー」です。

なぜ、今?と言いますのも、ずっと動向を追っていた所、6月にニュー・プロジェクトで再始動!
というのを聞きつけていたので、旬なうちに。

さて、ジェイクは本名をジェイキ-・ル-・ウィリアムズというそうです。Wikiを見つつ書きますw
1957年生まれとありますので、56歳。すげえ。この歳でも新プロジェクト。
「ジェイク・E・リー」の「リー」はブルース・リーにあやかったらしいですが、後付な気配もプンプンします。
アメリカ人の父親と日本人の母親を持つハーフで、東洋的なルックスも日本人に人気だったんだと思います。

私が彼を知ったのはオジー時代の「Bark at the moon」です。(聴いた時には既に90年代でしたが)
まあ、大抵の人はそうかと思います。ライブビデオには「メタルすぎる」とか賛否あるようですが、私は大好きでした。
あとは楽曲のセンスですね。どこか異次元に連れて行かれそうなテンション・ワークが凄く新鮮でした。
「Secret loser」とか最高です。
事あるごとに書いている気もしますが、ドリーム・シアターのジョン・ペトルーシは絶対にジェイクの影響を受けていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=jSNuIzw9VfU

さて、オジーと袂を分かち、1988年に新バンド「バッドランズ」を結成。
http://www.youtube.com/watch?v=i9Za333-ghY

LAメタル色を色濃く出しつつも、どこかブルージー、カントリーなテイスト。
しかし、いろいろあって1992年、3枚目のアルバム制作中に解散と相成ります。
その翌年、ボーカルのレイ・ギランが病死となり、バッドランズ再結成は無くなります。

1996年にソロ・アルバム「FINE PINK MIST」を発表。
サイケ色とプログレ色の中に、ジェイク特有のテンション・ワークが聴くことが出来ますので、個人的にバッドランズ時代より好きです。

1998年に、解散したバッドランズの幻の3枚目が発表となりますが、すみません。聴いてません。

で、2013年6月。冒頭にあったように新規プロジェクト「Jake E. Lee’s Red Dragon Cartel」が始動!
ただ一点気になるのは、シャーベルじゃなくてSGを手にしているのがチラリと見えた事。

昔何かで、「ジェイクは幼い娘を連れて、オジー時代に入手したアンプなんかを売ったお金で生活している」
と読んだことがあったのでハラハラしていましたが、流石はジェイク。余計なお世話でした。期待しまくってます。

第二回へ続く