緊急バンド会議発動(3人しかいないけど)
・・・会議中・・・
結論:行くしかない。車で。自分たちで決めたんだし。
と、いうわけで、フェリー欠航するくらいの天候の中、車で1,000キロ先まで行くことに。
まあ当然台風は西からくるので、東京から九州に向かうということは
「確実に台風に遭遇する、というか、ラ・マンチャの男」なのである。
ギター、機材、生活物資(寝具、携帯コンロ、インスタント食品、その他)を積み込む。
我々は無謀にも台風に向かって旅立つのだった。
用賀から首都高に乗りGo West!
時刻は午前11時。この時はまだ曇り程度だった。
湿度のせいか音の伝導率が高く、後部に載せた機材類のこすれ合う音が耳に障った。
それはさながら、死地へと赴くものへの最後の警鐘みたいな重く湿った響きだった。
・・・文学的な表現はさておき、まずは東名を目指してアクセル・ペダルを踏み込む。
台風情報は当然周知されているので、高速下り線はガラガラ。
あっというまに東名の入口に差し掛かる。
雨が降り始めた。と思うと、すぐにワイパー全開にしても拭いきれない滝のような水流が車体を包み込む。
フロント・ライトを点灯して、ついでにハイ・ビームにする。
うん、見えない。前見えない。ぜんっぜん見えない!
他の車両がライト点灯してなければ漏れなく追突するレベル。
時刻は午後三時をまわろうとしていた。
車内は沈黙に包まれていた。
積んだギターと機材だけがガタガタと苦情を漏らしていた。
続く