どんな商品も、売り物である以上値付けが必要だ。
富裕層を狙うなら安さは逆に命取りだ。
彼らは、資本主義の中では物の価値が価格に比例することを知っている。
また不当に高価な物であっても、それを看破する自負がある。
それ故に、富裕足り得るのだ。
薄利多売を前提とするなら広い裾野に向かって告知が必要だ。
世の中には「安いから」という理由だけで欲しくもないものを購入する層が存在する。
それ故に、いつも満ち足りずに安物を積み上げるのだ。
さあ、この作品にいくらの価格を設定するべきか。
読者にも著者にも無理が生じない、お互いに納得感がある値付けとは。
「440Hz」の299円という価格には、もちろん根拠がある。
「日本人でデジコン慣れしてるユーザーは300円くらいの課金はするし、1円削って200円台に見せれば、お得感あるだろう。」
とか、ユーザーに礼節を欠いた、ありがちなノリではない。
そもそも、私はそういう層の読者をターゲットにしていない。
わかる人に届けばいいと思っている。
2012年11月26日
パソコンを目の前にして、KDP(Kindleダイレクト某)の価格設定画面を見ていた。
値段、どうしようかと2時間ほど悩んでいる自分。
数時間相手にされていない長女のアンが、右手(愛犬家以外の方は右前脚と置き換えても可だ)で、かしかしと私の足を叩く。
おやつでもあげてごまかそうとしたが、彼女は夕飯を食べたばかりだ。
仕方なく抱き上げると、左頬をぺしっと殴られた。
その瞬間に、私は神の啓示を得たのだと思う。
もう片方の頬も差し出したい気分だった。
肉球(299円)でいいじゃん。悩んでもムダムダ。
まあ、もともと3〜600円の間で考えていたけれど、
世の中の値段設定なんて、こんなもんじゃね?
[…] 『次回予告:値付けについて(小噺ではなくw)』 […]