NovelJam2018回顧録⑦『アート』

去年に引き続いて参加となったNovelJam2018についての回顧録その7となります。

時系列さておき、ぼくにく絵画の回想。

編集者経由で、著者より表紙のイメージを文字で渡されます。
それを読んで大地から立ち上がる薫りを感じる。
なんだこれ、勝手にイメージを引き出される。

おっと、今回参加した以上、最適な形で自身のアートにてレスポンスしなければならないんだった。
それが自身に課した課題。
考えろ。絵筆というインターフェイスに絵の具を乗せ、白いカンバスに顕せ。

ラフで構図を描いたスケブを観ながら6号カンバスに2B鉛筆でデッサン。

ドラゴン像と青年像は前述の通り。
壁画、ということで『壁画』で画像検索。
なるほど、画像を見て察するに、描画した当時は白バック(石灰質)だったんだろうけど経年劣化で黄ばんでいる。

テレピンでイエローオーカー(黄ばんだ系)を融き、地塗り開始。
油絵は会期短めの中で完成させるには圧倒的に不利(← 自分のせい)

完成形のイメージを固めてから描画開始。

テレピンでシャバシャバにしたランプブラックで輪郭を形成。
この時点では『水彩と変わらないんじゃね?』という感じ。
油断すると緩く薄められたランプブラックが重力に従ってキャンバスから垂れ流れる。
一方、計算通り地塗りは、ほぼ乾き始めた。ライブ油絵。

薄めないブラウンピンクでドラゴンを形成。
その厚塗り気味な堤防で、ランプブラックの流出を留める。
『左官に近いな』(心象風景)

描いているうちに、テレピンの含有量、乾燥のタイミング、むしろキャンバスをパレットにして混色するのもアリ。
という知見を得ます(経験値爆上げ)
リズムとメロディ、そして執筆だけでは得られづらい『ハーモニー』の実感。

油絵は油絵の体裁を成していきます。
絵筆を通じてイメージが顕在化。

奇跡的にホワイトは、たまたまクイックドライのものを持ってきていたので(過去の自分に感謝)、
油絵特有の『絵肌(マチエール)』を作るのに大変貢献しました。

壁画のドラゴンは壁画のドラゴンになり、見上げる青年は、見上げる青年になります。

7時間経過する頃、ぼくにくの原画が完成しました。

写メって、著者と編集者に送ります。

著者さんに、ご満足いただけただけで、わたしの存在意義は保たれました。

※ 去年の回顧録はKindleなどで無料配信中ですので、ご参考までにご覧ください。

⇒ 『NovelJam2017 回顧録』

つづく