NovelJam(ノベルジャム)2017回顧録⑧(破)

夜も更け、Noveljam2017も散会となります。

終始現実感全くなし。真冬の夜の夢の中。
市ヶ谷駅から都営新宿線で九段にて東西線に乗り換え。
帰路は日曜のせいか、早い段階で椅子に座ることができました。
(消耗しまくったので、ギターとカバン、超重い)

まあまあアルコール入っていたのですが、帰宅してからもギターと荷物を置いて呑みます。
祝杯というよりも、アルコール以上に湧き出す脳内麻薬に打ち克って眠るためです。

就寝します。ベッドへ無限に沈み込む感覚でした。
あー、なんか終わった感。

んで、翌日2月6日(月)
とっくりと眠って、起きたのは朝10時。
おや? 仕事はいいの?
大丈夫です。
全力で自身と戦って満身創痍になるのは目に見えていましたので、有給休暇を1月時点で取得していたのです。
むしろ、満身創痍にならない程度のハンパな戦いをしても、なんの発展もないと思っていましたから。

起床し、日課の体組成計での測定。
糖質制限を解除して、配給されたカツ中心の弁当を平らげていたにも関わらず、体重がゴッソリ減っていました。
ヤバい。想定以上にケズってた。

起床が遅かったので、ブランチでステーキ屋に向かいます。良質なタンパク質を摂取せねば。

米も食べます。リミッター解除。

帰宅して、ピアノの調律師さんが来訪(予約済)します。有給の有効活用です。
4さい長女がピアノやりたいというので、自宅にあるアップライトピアノをメンテナンスしてもらいました。

この方、とある作品のモデルになっている著名な調律師さんで、その仕事ぶりを拝見し、いろいろ吸収させていただきました。
(わたしはピアノ弾けません。でも、なんとなく10年後には弾けるようになっている気がするのですが)
この後、調律師がらみで、もっかい『羊と鋼の森』を読み返しました。

と、休暇(インターミッション)を充実した気分の中、自著受賞作品を読み返します。
……程なく読み終えます。

えーと、コレ、過去に書いた自著のパッチワークだよね。
ベストを尽くして書いたけれど、過去の自分頼りだよね。
受賞はいいけど、なんにも成長してねえじゃん。
(藤井さんの助言は反映したけど)
受賞したのは今の自分じゃなくて、過去の自分じゃん。

受賞が目的だったっけ? 違うよね。
自身と向き合って、行き当たりばったりで、なにが成せるかを試す機会だったよね。

ノープランで参加し、波野さんから引き出されたのは過去の自分自身でした。
受賞の栄誉に浴したのは波野さんのおかげですが、違和感が胸によぎります。

受賞したのは過去の自分で、今の自分じゃない。
そんなんイヤです。昨日と同じことしてたら、劣化する一方です。

ここからの述懐は傲慢さを含む内容かもしれません。
不快を覚える記述がありましたらすみません。
そして、散漫です。

誰との会話だったのか覚えていませんが、今回のイベントにおいて著者枠にかなりの人数がエントリされていたそうです。
編集者・著者30名枠に80名以上の応募。
編集者(10名)はギリだったので、著者枠20名に対し、70名の応募。倍率3.5倍。
参加のために惜しくも選に漏れた方も多かったということです。

持論ですが、なにかモノ・コトを成す際に『分母』は関係ありません。
何人エントリしようが、最上位に選ばれるのはひとり。
それは、カイザー・新城カズマさんの最優秀賞獲得がわかりやすいアイコンとして示しています。
んで、新城さんもわたしも他の方も『分母』です。

ひとの記憶に残るのは『最上位』だけです。二位じゃダメなんですよ。
なのでアメリア・メアリー・イアハートのひそみに倣って
『アマチュアとしては世界一』という、こじつけがましいラベリングで、イキった発言をしてみました。
(富士山の次に高い山って知ってますか?)

まとめますと、勝負に勝ちに行った波野さんと、自身に向き合い明日の自分に期待するわたしとの温度差があったという反省です。
波野さんの編集・プロデュースに従わなければ『選に漏れる or 山の頂を拝めた』かもしれない可能性がありました。

日が経つに連れ、記憶や感情が鮮烈に思い浮かびます。
あれ? 賞関係ないって言ってたくせに、女々しくこだわってるよね。

いったんおわり(過去記事含めて、ちょいちょいアップデートしています)

NovelJam(ノベルジャム)2017回顧録⑦

はい、Noveljam2017大団円です(さすがに夜だったので、アルコール摂取による顔のむくみが治っていて一安心)

改めて強調しますが、関わる人々すべての尽力で成立したイベントだったと思います。
ハンパない熱量。その熱はわたし自身も発していて、皆が皆発していて、シナジーを創りだしていたかと感じます。

さて、自著『440Hz』で、こんな一節があります。

『オマエ、人同士の縁って知ってる? おれはオカルトじみたハナシは信じないし、糞食らえだと思ってる。でもさ、一定の条件下において雑多な情報の中からある断片を探し出す能力をもってして、同じ結論に達し、そして出会う。これがいわゆる『人の縁』の正体なんじゃないかなって、おれは推察している訳だ。そういう意味で縁を信じている』

まさにコレ(縁)を実感しました(自分で書いててアレですが)

目に見えない細い糸を見つけ、手繰り寄せ、出会い、価値を分かち合い、さらにもっと大きな価値を産み出す。
素晴らしいひとたちに出会えて、会話できて、とても幸せです。

んで、熱量をキャリーオーバーしたまま懇親会会場に移動。
片付けをちょっとだけ手伝っていたので遅れての到着。

審査員各位が、今回受賞には至らなかった作品に対して、懇切丁寧にフィードバックをしています。
すげえ。先鋭の作家・編集者が、すべての作品に詳細な選評を述べていました。
それに対して、参加者は皆、ハラオチしている様子でした。なんつーガチさ。
受賞者への寸評よりも数百倍濃度が高い、価値ある金言。マジうらやましい。

そんな中、スーパードライ500ミリリットルを3本くらい呑み干したタイミングで、藤井太洋さんと差し向かう機会がありました。
恐らくですが、藤井さんは、この機会を伺っていたかと思います(ガチだから、受賞者にも詳細なフィードバックしようとしてた)

【藤】「澤さん、やっぱりすごい上手かったですね」(アイス・ブレイクと解釈)
【澤】「いえいえ。必死で、なにも考えられていなかったです」
【藤】「最優秀賞に一歩及ばなかった点。それは”トリックスター”の在り方です」
【澤】「トリックスターですか?」(別に賞目当てじゃなかったし、どの誰にも及ばない前提だったけど)
【藤】「暴走族や例の鉄火場のエピソードをもっと掘り下げてトリックスターの役割を果たせていれば、イケてましたよ」

なるほど、トリック・スター。
ここ一年ほど油絵を習っているのですが、闇あっての光、光あっての闇、というのは学んでいました。
ギターだけでなく、絵というか、光と影の対照的な在り方が物語に深みを与えるのだな、と改めて感じました。
(つーか、受賞者にも燃料投下しまくってるのかな、と思いました)

この場面においても、参加しておいてよかった。心から思いました。
一方、もし、次回があるとしたら、もっと恐ろしい(楽しい)ことになるな、と直感しました。

次回予告。
最終回『NovelJam(ノベルジャム)2017回顧録⑧(破)』

NovelJam(ノベルジャム)2017回顧録⑥

▼18:30

審査員席に審査員が着席。場内に緊張感が漂います。
ここで、周囲を振り返ると、ほぼ何らかのクリエイティブに関わるプロフェッショナルの顔が目に入ります。

この時点でも賞とか、どうでもいい心境です。
自分と戦って、納得して作品を創った。ベストを尽くした。
どんなにディスられようが、自信を持って誇れるものを生み出した。
あとは受賞者に全力で拍手を贈るだけ。参加できただけで、もう満足。

んで、時間も押していたせいか、意外とサクサクと進行します。

最初に呼ばれたのは、なんと同チームの米田さん!
見事に『スパアン』で審査員賞『米光一成賞』を受賞します。同チームでの受賞。たいへん誇らしいです。
全力で拍手を贈ります。と、同時に『チームは全部で10。ここで米田さんが受賞したということは、同チームの自分は選に漏れているのだな』
と、直感。ここから先は、この取り組みの末席に座す構えで祝福するモードに脳内が切り替わります。

次は『藤井太洋賞』に、かずはしともさんの『輝家魔法的肉包子店』が選出。おめでとう!

三作品目、『海猫沢めろん賞』に松永肇一さんの『老人とプログラム言語』が選出。おめでとう! おめでとう!

そして、最後の審査員賞『日本独立作家同盟賞』マテバ牛乳さん(金髪・モヒカン)『世界を救っても恋は実らない』が受賞。
おめでとう! × 3

続いて、優秀賞の発表。

鷹野さんがタイトルを読み上げます。
「優秀賞、PAUSA(パーウザ)

ん? そんな作品あったっけ?
ここで、前に座っている波野さんが、わたしにアイコンタクト。
立ち上がるように促します。

おんや? これって、自分の作品?
祝福モードと、自著タイトルを失念していたせいで、反応ができませんでした。

正直、疲弊と現実感のなさの中、機械人形のように立ち上がり壇上へと進みます。アタマまっしろ。

【鷹】「小説らしい小説でした」
【澤】「ありがとうございます(いちおう小説なんだから小説らしいんじゃね? と斜に構えた思考。振り返ると自身に対する照れ隠しの要素もあったのかと思います)」

表彰状と、一太郎プレミアムを拝受します。現実感ゼロ。
編集担当波野さんも、同様に一太郎プレミアムをもらいます。

んで、コメントを求められますが、執筆、プレゼン同様に行き当たりばったりで、気の利いたことを言えなかったかと思います。
わたしの記憶が正しければ(アルトゥール・ランボー?)『高いところから失礼します、って、高くないか』という、お寒いセリフを吐いたことがうっすらと残っていますが、諸々定かではないです(できれば忘れておいてください……忘れろッ!!)

なんとまあ、10チームいる中で、同チーム2作品が受賞するという事態に。

そして最優秀賞、新城カズマさん『原稿は来週水曜までに』です。
星雲賞受賞のバリバリのプロ。作品を拝読しましたが、こんなん書けないと感じました(でも、これが個性というもの)

といった次第で、チームAもダブル受賞。
チームHとチームAで『H + A = 破』のテーマを表現できた出来レース? と雑念がよぎります。

総じて申し上げますと、スポンサード、運営さん、審査員各位、編集、著者、エントリした人々、この取り組みに興味をもったひと、すべての人々がガチンコでした。そこに、しょうもない恣意的な要素が入り込む余地はありません(そんな余裕一ナノミクロンもないッス)

誰もが真剣(ガチ)に当イベントに取り組み、お互い刺激をしあい、細やかな気を配り、誰がどう見ても成立が難しい取り組みをガッチリ着地させたというのが偉業かと思います。構成要素のひとつとして、この場・この時に関われただけでも、どれだけ幸せなことなのでしょう。

さて、自著に仕込んでおいた、本イベントのテーマ『破』については、読み解いていただけますと幸いです。

まだつづく

NovelJam(ノベルジャム)2017回顧録⑤

BCCKSに次々と作品が販売されていきます。

よく考えてみると二日前には影も形もなかった作品が、いきなり表紙付きで17作品爆誕ってすごい。
作成の合間に編集者波野さんに呼ばれます。

【波】「こんなん作ったんですけど」
【澤】「スライドですか」
【波】「これで作品プレゼンします」
【澤】「凝ってますね」※プレゼンは審査と関係なし
【波】「ぼく無言でめくるんで、その間ギターよろしく」
【澤】「! ど、どういう無茶振りなんですか。持ち込んだのエレキだしアンプないと聞こえませんよ」
【波】「敬二さんがアコギ持ってるはずですよー 笑」
【澤】「……」(ホントにやるのか)
【波】「いいですか、澤さんの作品は17作品中15番目の発表です。その頃にはみんな疲れてフツーのプレゼンは聞き流しますよ」

ストラテジック。なるほど。なるほど?
波野さんすげえな。ここまで計算高いとは。

とはいえ、執筆もプレゼンもいきあたりばったり。
とても面白いのだけれど、疲弊しているうえに演奏とはなんという無茶振り。
会場内で敬二さんを探します。

【澤】「敬二さん、ギター貸してもらえます?」(断ってもいいのですよ?)
【池】「イイヨー! ケースにチューナーも入ってるヨー!(満面の笑み)」

受け取ったものはショート・スケールのアコギ。ヤマハ製。軽くて持ちやすい。
チューニングしてちょっと試奏する。弾きやすい。というか弾きやすすぎて指が滑る。
これで一発勝負かあ。でも、これを乗り越えたらまた成長できるかも。
(自分をなぐさめるために内在するポジティブ要素をかき集める)

▼16:30
待ったなしで、プレゼンが始まります。
チームA~Jの順番で、作家がそれぞれふたりいるので、それを二周します。
編集担当の方が登壇して、色んな形でプレゼンを行います。
どの方からも熱意と誠意が伝わってきます。
池田敬二さんが、甲斐甲斐しくタイムキーパーを務めます。

で、チームH米田さんの発表です。
基本編集者のみでのプレゼンなのですが、米田さん、しっかり巻き込まれます。
自作の帽子をかぶり、指差し確認などパフォーマンスを始めます。
これも仕込みなしの行き当たりばったり。スライドとのジャム・セッション。
会場が笑いに包まれます。
一方わたしは「やはりパフォーマンスを求められるのだな」と内心、冷や汗をかいていました。

はい、時間が経つのはあっと言う間。自分の番です。

波野さんが先行してスライドを映します。
わたしは借りたギターを手にし、ストラップを掛けます。
前に進みながらEメジャーのコードをジャカジャカ。
この時点でも何を弾くかは決まっていません(事実しか書きません)
自分の引き出しを探ります。Eメジャー押さえちゃったし、これで行くか。0.2秒で判断。
自作曲をストロークします。

ちなみにこれは「440Hz -1978-」トレイラームービーでも使っている曲で、
「Over the Sea」というタイトルです。結果から言って、作品と最もマッチした選択でした。
(この曲、実は昔、生まれてはじめて作った曲で、いろいろエピソードがあるのですが、別の機会に)

スライドを見ながらテンポをそろえて演奏します。
波野さんもギターを聴きながらテンポをそろえてくれるのがわかりました。まさにジャム・セッション!
スライドの合間に本作「PAUSA(パーウザ)」の表紙絵が映し出され、ああ、いい表紙だな(シーサー可愛い)と感慨にふけります。

(アートディレクター・松野美穂さん、表紙デザイン・イラスト・亀山鶴子さん、ありがとうございます!)

ギター演奏は、いろいろ言い訳したくもありますが、ヘッタクソです。

さておき、会場内に大きな拍手が響き渡ります。波野さんの思惑通り。策略家。
演奏の巧拙ではなく、どんだけ楽しませるかが重要なのだな、と改めて思いました。
(冷静に考えると小説のイベントでギターを弾くっていうのは想像の斜め上)

プレゼンがひと通り終わると、協賛企業さまのセッションです。
わたしは電子書籍のツールにあまりこだわらずに作っているのですが、
さまざまなシステム、取り組みなどを聞いて、業界全体でいろいろアクティブに動いているのだなあ、と感心させられました。

そして、18:30、審査発表がはじまります。

つづく

NovelJam(ノベルジャム)2017回顧録④

2月5日(日)7:00前に起床。
妙な疲労感が頭の芯に残っています。
昨日の自分との戦いの疲れでしょう。
(発泡酒3リットル程度では二日酔いになりません)

シャワー浴びて着替えをし、ギターを爪弾きます。
テレビをつけてエグゼイド観ているとハンバーガーっぽいキャラが登場。
そういえばここ一年くらいハンバーガー食べてないな、と思いつつ、
糖質制限中なので、コンビニで購入しておいたサラダチキン、カップ味噌汁、割けるチーズを食します。
ちなみにほぼ100パー毎朝朝食のメニューはコレです。占めて200キロカロリー。

準備を整えチェックアウト。
都営新宿線で再び市ヶ谷に向かいます。
受験生がいっぱい歩いており、なんかしらのパンフが配られています。
「受験頑張ってくださーい!」とわたしに差し出されます。
ギター背負って受験すると思うのか? そもそもそんな年齢に見えるのか?
そんなオートメーションで頭を使わない仕事、いや作業は機械に代替されるぞ、と思ったり。

NovelJam2017、二日目スタート。
9:00ちょい過ぎ、すでに会場は人がいっぱい。
いや9:00スタートだから当たり前か。

池田敬二さんがいました。
【澤】「おはようございます、ギター持ってきました?」
【池】「うん、もってきましたよ。ショートスケールだけど」
【澤】「へえ、ギブソンじゃないんですね」
【池】「さすがにそれは本気すぎて、引かれるかなと」
(これ、なんのイベントだっけ)

朝食用にドトールのミラノサンドが用意されていました。
朝食は済ませてきましたが、糖質制限解除し、ラストバトルに備えて平らげます。
(パンなんて1年くらい食べてないな……美味い、と、しみじみ噛み締めつつ)

オリエンで本日の流れを説明されながら、配られている紙を読み返します。
09:00 開始、オリエン
09:30 二稿完成
10:30 二校戻し
12:00 最終稿完成

あと3時間で書き上げるのか。
この時点で6,000文字。おそらく、あと2,000文字は必要だろうな。
編集者波野さんと会話をはじめます。

【波】「進みました?」
【澤】「赤字と気になった部分だけ直したのでストーリーに進捗はないです」
【波】「じゃあ、先にエンディング書いてください」
【澤】「わかりました」

20分経過

【澤】「書きました。こんな感じでどうでしょう」
【波】「うん、これでいいです。あとはここに向かって書いてください」

残すところあと2時間。なんとかなるか、と肩の力を抜いて脳内に浮かぶメロディを
打鍵して文字にあらわして行きます。
———————
ちなみにわたしはギター小説家を自称しておりますが、ギターの小説を書くという直接的なもの、
ギターを弾く感覚で小説を書く、という間接的な意味合いです。
小説書くときにいっさい音楽は聞かず、頭の中のメロディとリズムを文章にリンケージさせながら書く、
ということです(ちょっと厨二っぽいですが、事実しか書きません)
以前どこかで書いたかと思うのですが、音楽も文学も起承転結、メリハリ、序破急、フレーズ選び、
リズム感、音色(言葉の選択)など、全くおなじ表現行為だと考えています。

あと『必然性』。それがそこにあるには理由がある。
昔あるひとにアマチュア(趣味)とプロ(生き様)の違いを教えてもらい、それが刻まれています。
「必然性がないことを好き勝手に撒き散らすのがアマチュア」
「すべてにおいて必然性を構えるのがプロ」

▼閑話休題▼

さて、11:50分くらいに書き終えます。
トータル8,500文字。規定ルールの最低字数3,000の3倍に近い。
(ちなみに事前に波野さんからルビタグの振り方を教示頂いていたので、ルビ・ルビタグ込みの文字数です)

波野さんにメッセンジャーで送信し、チェックをしてもらいます。
で、最後のランチはヒレカツ弁当でした。ガツガツ行きます。

取材なんかも受けます。米田さんの指差し確認のチャーミングさが最高です。いい画。
そして、この写真を見て、アルコールこそ残っていないものの自分の顔がむくんでいるのが恥ずかしい。

30分後、波野さんから戻しがあります。
あれ? ほぼ赤がない。Wi-Fiのハイフン入れるかどうかと、tcy(縱中橫)のタグをどうするかのみ。
文章の指摘はゼロ(一箇所だけ改行の提案あり)ホントにいいの? 逆に不安になるのですが、波野さんを信じます。

最終原稿が提出されます。終わった……

13:00
BCCKS山本さんからBCCKSを使ったepub作成の方法をレクチャーされます。
そうです。ゴールは電子書籍として販売するまでなのです。
スクリーンに投影された映像で説明を受けるのですが、これかなり機能充実してるなと感じました。
サーバコストどんくらいなんだろう。AWSかな、と余計なことを考えつつ作業をします。

となりでBCCKSの制作エキスパート米田さんが懇切丁寧にフォローしてくれます。

電書作成・販売の締め切りは16:00。
この間に別室にて審査が行われています。
ぶっちゃけていいますと、この時点で、賞を獲る・獲れるという気持ちはゼロでした。
自分との戦いであり、自分が満足できるものを書けたか、ベストを尽くせたか、がすべてでした。
んで、ベストは尽くせてました。指先が震えています。緊張ではなく、極度に疲弊していました。
(いちおうアル中ではないことを申し添えておきます)

つづく

NovelJam(ノベルジャム)2017回顧録③

そんなこんなでゼロベースからプロットを練ります。

【波】「旅行とか行きます?」
【澤】「そうですね。海ばっかですけど」
【波】「海外ですか?」
【澤】「昔はモルディブとかオーストラリアでダイビングしてましたけど、最近は沖縄ばっかです」
【波】「うちの奥さんダイビングの資格もってますけど」
【澤】「へー、わたしもいくつかかもってます(オープンウォーターとドライスーツダイバーカード程度)」
【波】「じゃあ、海絡み、沖縄を舞台にしましょうか」
【澤】「ですね」
【波】「山田さん情報で飯テロ要素行きましょうか」
【澤】「周囲で沖縄料理、美味しくないってディスられるんですが、わたしは美味しいと思います」
【波】「ですよね。ぼくも美味しいと思うんですが」
【澤】(ここはディスに対するアンチテーゼで沖縄料理の魅力を引き出そうか……)
【波】「じゃあ、ソレ含めてプロット出しましょう。ギター出します?」
【澤】「んー、出します」(まったく新しいものひねり出そうかと思ってたけど、流れで書こうか)
【波】「じゃあ、プロットできたらメッセンジャーで共有してください」
【澤】「はい」

ここからプロットをメモ帳にタイピング。

16:00にいったんFIXします。
どちらかというと、ブレストのメモ。

そして、デザインチームさんと表紙の打ち合わせを経て、20:00の初稿完成を目指してガシガシと執筆。
その間、波野さんと米田さんは1時間ほど、3階の会議室で打ち合わせするために移動。
わたしはネタに詰まる度に、持ち込んだギターを爪弾きながら執筆。

戻った波野さんに問います。
【澤】「そういえば、テーマの『破』どうしましょうか」
【波】「それはテクニックでどうにでもなりますよ」
【澤】「フラッシュアイデアなんですけど、こんなんどうですか」
(ペンを取って、ある形で『破』の文字を書く)
【波】「……! ソレで行きましょう!」
【澤】「飛び道具ですけどね 笑」

初稿を波野さんに渡し、プリントアウト。
読みながら、波野さん、なぜか吹き出します。
「弁当、弁当!」
会場後ろには夕食が用意されていました。


わたしの書いた第一回目の飯テロネタ「ソーキそば」の下りで食欲がブーストしたっぽい反応。
反応が過剰だったので(芝居っ気あり)、編集者としてわたしのモチベーションを上げるために工夫をしてくれているんだな、と、愛を感じます。
これも編集の仕事なんだと感心します。

夕食は二段弁当でした。

初稿の戻し(赤が入った原稿)を波野さんから預かり、ビバーク先の曙橋のホテルに移動。
発泡酒を飲んだくれながら、原稿を整えます。

こうして1日目を終え、夜は更けていきます。

つづく

NovelJam(ノベルジャム)2017回顧録②

7階にたどり着き、受付をします。
緑色のカードホルダーと各種ドキュメント入りのクリアファイルを手渡されます。
中にはタイムテーブルやスポンサードのリーフレットが封入されています。

緑が作家、黄色が編集者との説明を受けます。

チームHであると告げられ、会場内のテーブルを探すと、既にチームのふたりが席にいました。

セルパブがらみでwebでは繋がっていましたが、リアルでは初対面。
編集担当は波野發作さん(編集者歴25年のプロ。執筆から装丁、プロモまでオールマイティ)
もう一人の作家は20年前にプロデビューしている米田淳一さん
(どうもこのお二人はもともとリアルで仲が良いらしく、キャッキャしていました)

ん? これって群雛固め? と思いつつ周囲を見渡すと、やっぱりそんな感じでした。
とか思っていたら、同じく群雛クラスタでスポーツ・ライター和良拓馬さんにお声がけいただき名刺交換。古田さんとも挨拶させていただきます(そしてまたサインしてもらおうと思っていたナウル共和国を忘れた)

ちょっとオフ会気分ですが、ここからガチンコが始まるわけです。
懇切丁寧なオリエンが終わり、ここからゲスト公演。
作家はこのまま藤井太洋さんのレクチャー。
編集者は3階に移動し、三木一馬さんの公演を受けます。
波野さんが3階に移動する後ろ姿を見ながら、寂しそうな目をする米田さんが印象的でした。


さて、わたしは作家サイドなので、
藤井太洋さんの公演を拝聴します。
頭に残ったのは、主にスティーヴン・キングの「現在形」での書き方です。
でも、米文学だし、日本語の小説にはあんまり関係ないのでは? と思いつつ、
まずは試してみようという思いの中で、のちにここでに書いた小説に可能な限り反映させました。
(そして、書いててその理由を実感しました。ここでは企業秘密)
あとは『集中力 = 体力である。しっかり食べましょう』というアドバイス。

さて、公演が終わり作業開始です。
波野さん曰く、
「編集者には1週間前に担当作家が周知されてました。なので澤さんの作風は知っていますが、執筆スピードはわかりません。『ネコ』をテーマに200文字程度で、10分以内に文章を組んでもらえますか?」

ストラテジック。なるほど。なるほど?
執筆スピードから逆算して、着地を見定めるのか! と感心しつつも、自分、犬派なんだけどな。
と脳裏によぎります。しかし、どんな要求でも最適解でレスポンスするのが正義だと思い、ワードに書き記します。

8分程で280文字にまとめます。
実際の文章はこちら↓

『わたしはネコである、なぜなら誕生日がネコの日、2月22日だから。
そして、わたしはやはりネコである、好物がネコ同様にネコマンマだから。
今日も残りご飯をレンジで温め直して、鰹節をまぶす。
鰹節は手を抜かずに削り器で欠く。醤油も通販で複数種取り寄せて、その中で最もマッチするものを選んでいる。三位一体の美味しさ。ここまでネコマンマを楽しめるのだから、わたしはやはりネコである。一杯目は、一気呵成にかっこみ、おかわりはゆっくりと香りと味の深みを楽しむ。満腹になって眠くなる。ベッドに横たわり体を丸める。
ベッドわきの姿見をみやると、まるでネコのような姿勢。まさにネコである』

これを読んだ波野さんが、ほくそ笑みます。

「なるほど、山田さんから事前リークされた情報どおりですね。これをプロットの要素に組み入れましょう」

山田さん? そうです。このイベントに引きずり込んだ要因のひとつです。

その後、波野さんは審査員の傾向をアナライズしつつ、こう書くのが適切である。と説明をメモ書きし、
あれ? 別に賞を取りに来たわけでもなかった、という気持ちが反転させられ、賞を取りに行く気に煽られてしまいます。
今回の目的はジャム。そして、1年間小説を書いてこなかったリハビリ。

恐るべし、編集者(というかプロデューサー)

お昼ごはんが配給され小休止しながらも、いろんな考えが頭をよぎります。

前述の藤井さんからのアドバイス『集中力 = 体力である。しっかり食べましょう』を受け、糖質制限を解除し、ガツガツと、まい泉の洋食弁当をかっ喰らいました。米美味し!

つづく

NovelJam(ノベルジャム)2017回顧録①

一週間経過し、少し落ち着いてきたので、時系列でまとめたいと思います。

▼11月29日
このイベント「NovelJam(ノベルジャム)2017」を知ったきっかけは山田佳江さんのツイートでした。

「へー、面白そうだな」と思ったくらいで、参加する気はありませんでした。

▼12月に入り、関係各位のツイート内容で当該イベント濃度が増してきます。
「誰が参加するのかな」くらいの感覚です。
師走の中、忙しい日々を過ごしていたので、あまり考えていませんでした。

▼12月29日~31日(午前)
仕事納めが終わり、そのままキャンプへ。
浮世から離れてバーベキューやスタンプラリーを、がっつり堪能

▼12月31日(夜)
普段テレビを観ないのですが、
紅白初出場のイエモン見たさにリビングで呑みながら鑑賞。
んで、23時位にイエモン登場。曲目は「JAM」。
観終わった後に何かが引っかかります。思い出しました。
そうです。「NovelJam(ノベルジャム)2017」です。
(盛ってませんよ。事実しか書きません)
自室に戻り、もっかいNovelJamのwebページを確認。
締め切りは12月31日中。
リミットまで1時間足らず。
酔った勢いもあったのでしょう(確実に)。
フォームに記入。応募してしまいました。
すぐに自動返信がきましたが、開かずに就寝。

▼1月1日
昼頃に起きて、実家静岡に車で帰省。
富士山がめちゃキレイでした。足柄PAでステーキを食す。

同日、実家に着いたのち、持参したノートPCでメールチエック。
ついでに昨日の自動返信を開きます。
そこには参加への意気込みコメントが書かれており、それを読んでフリーズします。
完全に酩酊状態で書いた恥ずかしい文章だったからです。
でも、作家たるもの晒してナンボの世界なので、恥を忍んで本邦初公開。

なに書いてくれちゃってんのアンタ!
変な宗教入ってないか? と思われることでしょう。
これはまあエントリ弾かれるな、と直感。そっと閉じます。

▼1月10日
昼頃、iPhoneがプッシュ通知で振動します。
メール着信。表題は『【NovelJam】選考結果のご連絡』
開くのが怖かったのですが、タップします。
『このたびは、日本独立作家同盟主催の「NovelJam」に参加申込みを頂きまして、
誠にありがとうございます。大変多くの方から参加申し込みを頂きましたが、
厳正な選考の結果、ご参加頂けることになりました

……来てしまいました。
「大変多くの方から参加申し込みを頂き」
いや、これは社交辞令だろう。と、訝しみつつも素直にうれしかったです。
(なぜならこんな無謀なイベントに申し込む酔狂なひとは少ないだろうと思っていたから)

▼1月14日
webで名刺をオーダー

▼1月25日
リマインドメールが到着。QAが記載

▼1月29日
三ヶ月前にメンテに出したギターが戻ります

▼2月1日
再度リマインドメールが到着

▼2月3日
大会前日です。準備のため早めに帰宅するも、エクササイズ後の流れで発泡酒をぐびり。
はっとなり、準備を始めます。
まずは、ギターのチューニングを整え、予備の弦をケースにセットします(なぜ)
執筆用のVAIOと予備のタブレットPCやモバイルルーター、着替えををカバンに入れます。

▼2月4日
「NovelJam(ノベルジャム)2017」当日早朝。
家族には特に詳細を伝えず「イベント行ってくるね」と伝え家を出ます。
ギターを担いでいるので、音楽系のイベントに行くとでも思っていたことでしょう。
電車に乗って、Kindleで「蜜蜂と遠雷」を読みつつ市ヶ谷の会場へと向かいます。
この時点で、アイデアはゼロでした。
(のちに編集者の波野さん『ギターは持ち込んだが、アイデアは持ち込まなかった』と、揶揄されるハメに)

9:00ちょうど、市ヶ谷駅に到着。文教堂書店を目印に会場へと近づきます。
入り口には「NovelJam会場」の案内が貼られており、エレベータで7階に上昇します。

「山田さんのツイートと、紅白のイエモン観なかったら、ここにいない可能性かなり大きいな」と思いました。

つづく

NovelJam(ノベルジャム)を終えて

2月4日~5日に催されたNPO法人日本独立作家同盟主催
『NovelJam(ノベルジャム)』が終了しました。

編集者10名・著者20名の募集に対し、80名以上の応募があったそうです。
(当日誰かとの会話で知りました)

前回の更新でも書きましたが、著者として参加しました。
ギター? ええ、持っていきましたよ。ジャム・セッションですから。
結果から申し上げますと、まさかまさかの優秀賞を頂戴しました。
受賞作品名は『PAUSA(パーウザ)』
イタリア語で休符を意味します。
表紙絵について、アートディレクター松野美穂さん、デザイン・イラストを亀山鶴子さんに作っていただきました。

参加して完成できれば満足だと思っていたので、受賞のコメントも気の利いたこと言えず、すみません(ギターは弾いた)
最優秀賞は新城カズマさん(現役バリバリのプロ作家)「原稿は来週水曜までに」です。
この形式のイベントは世界初だそうです。参加できただけで光栄です。
同チームの波野さん米田さんともいろいろセッションできて楽しかったです(死ぬほど疲弊しましたが 笑)
ここでポイントなのは「最優秀賞が現役プロ」での優秀賞受賞。解釈を変えると『世界初のイベントでアマチュアとして世界一になった』と言えるでしょう!(歪曲じゃないはず!)
関係各位に感謝の辞をNovelと同時に、世界王者(アマチュア)として気を引き締めねばと思った次第です。
また今回イベントのお題が『破』だったのですが、どこに仕込んでいるのかは公表しません(気付いても吹聴しないでくださいませ)

※プレゼン資料にも出てきましたが作家・山田佳江さんから事前に編集・波野さんに渡して頂いた、わたしの情報を元にプロットができました。ありがとうございます!

米田さんのブログのように、読み物としても超面白いポートレートみたいに書こうと思いましたが、
簡単にまとめさせていただきます。

あ、そうだ。直接関係ないように見えるのですが、王木亡一朗さん淡波亮作さんから学んだ(盗んだ)文章テクニックも使わせていただいております(今回に限らずですが)。
淡波亮作さんにつきましては、本業においてもテクニックを活用させていただいております。
この場を借りて、両名さまにお礼申し上げます!

ありがとうございました。

つづく(というか適宜アップデートします)

ジャム・セッション『Novel Jam(ノベルジャム)』

表題の件ですが『日本独立作家同盟』主催で、2月4日、5日フルで、
日本初のジャム・セッション・イベントがあるとのことです。
その名も『Novel Jam(ノベルジャム)』
編集者10名、作家20名のアドリブ・プロジェクト

発表を拝見した際には、どこか他人事のように、
「おお。面白いことやるなあ」くらいに思っていたのですが、
大晦日に紅白初出場のイエモン「JAM」を観ていて、
「あ」と当該イベントの存在を思い起こしました。

そんな次第で、応募締め切り数時間前に滑り込みエントリしたのですが、
無事受理・参加承認されました。
(後日、自身の参加表明のコメントを読んだのですが、完全に酩酊状態の文章で苦笑)

んで、セッション用のメイン・ギターをメンテナンスに出していたのですが、
対応ギリで間に合ったので、よかったです(なぜ)

当日ギターを持っているのは、
おそらくわたしの他に池田敬二さんくらいかと思いますが(だから、なぜ)
敬二さんはアコギですので、コンタクトの際には、お間違いないようよろしくお願いいたします。

名刺もリニューアルしましたので、どうぞお声がけいただけますと幸いです。

程よい緊張感の中、ノー・プランで挑むアドリブを楽しめればと存じます。
それでは当日、皆さまとお会いすることを心より楽しみにしております。

つづく